🎯 結論(先に要点)
厚生労働省の指定講座検索システムで実査した結果、司法試験・予備試験の予備校講座に教育訓練給付金の指定講座は1件もありませんでした。使えるのは法科大学院ルートだけです。予備校ルートで負担を下げる現実的な手段(割引・合格特典・分割)を整理します。


司法試験・予備試験対策の通信講座は受講料が50万〜100万円超と高額です。
働きながら受験を目指す社会人にとって、国の給付制度が使えるかどうかは資金計画を左右します。
ところが「対象講座リスト」を掲げる記事の多くは、一次情報を確認しないまま資格講座全般の一般論を当てはめています。
本記事では厚生労働省の検索システムで実際に調べた結果と、給付金が使えない前提での費用の組み立て方を解説します。
- 実査の結果:厚労省の指定講座検索で「予備試験」0件・「司法試験」は法科大学院のみ
- なぜ誤情報が多いのか:他資格の一般論と法科大学院の制度の混同
- 使えるルート:専門実践の対象になるのは法科大学院の課程だけ
- 代わりの手段:割引制度(予備試験講座は最大20%OFF)・合格特典・分割払い
- 合格特典の正確な条件:フル限定・ライトは対象外・インタビュー出演が必須
【結論】司法試験・予備試験の予備校講座に教育訓練給付金は使えません
先に結論を書きます。アガルート・伊藤塾・資格スクエア・LECなど、司法試験・予備試験を扱う予備校の講座で、教育訓練給付金の指定を受けているものは現在ひとつもありません。
厚生労働省が運営する「厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム」で、実施方法をすべて選択(通学・通信・eラーニング)したうえで検索した結果が下の表です。
| 検索キーワード | ヒット件数 | 中身 |
|---|---|---|
| 予備試験 | 0件 | 該当なし |
| 司法試験 | 16件 | すべて法科大学院(法務研究科・法務専攻)の課程。予備校の講座は1件もなし |
| 伊藤塾 | 0件 | 指定講座なし(施設名でも検索されるシステムです) |
| アガルート | 2施設 | 行政書士・社労士などの講座のみ。司法試験・予備試験の講座は対象外 |
参考までに「行政書士」で検索すると13件がヒットし、アガルートの「行政書士 入門カリキュラム フル」などが指定講座として並びます。つまりシステムも検索も正常に動いていて、そのうえで司法試験・予備試験の予備校講座だけが存在しないということです。
この記事の調査日:2026年8月27日/掲載データ:令和8年8月6日時点(厚生労働省の検索システムに表示されている基準日)
なぜ「使える」と書いている記事が多いのか
検索すると「司法試験の通信講座は教育訓練給付金の対象」「20%が戻る」「専門実践なら最大80%」と書いた記事が数多く見つかります。
これらが生まれる原因は、おそらく次の3つです。
- 資格講座全般の一般論を、司法試験にもそのまま当てはめている:行政書士・社労士・宅建などは実際に指定講座があります
- 法科大学院の専門実践教育訓練と混同している:大学院の課程は対象ですが、これは予備校の講座ではありません
- 過去に指定されていた講座の情報が更新されずに残っている:指定には期間があり、更新されないと失効します
「20%戻る前提」で予算を組んでしまうと、10万円ぶんの見込み違いが起きます。申込前に必ず一次情報で確認してください。
給付制度が使えるのは「法科大学院ルート」だけ
司法試験の関連で給付制度が使えるのは、法科大学院(ロースクール)に進学する場合です。検索でヒットした16件はすべてこのタイプで、専門実践教育訓練に指定されています。
| ルート | 給付制度 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 法科大学院ルート | 専門実践教育訓練の対象になる課程がある | 既修2年で約190万円/未修3年で約270〜290万円 |
| 予備試験ルート(予備校講座) | 対象外 | カリキュラム50〜100万円台 |
ただし、給付が受けられるからといって大学院ルートが安いわけではありません。専門実践の給付には上限があり、学費そのものが予備校の2〜3倍です。総額では予備試験ルートのほうが安いのが普通で、そこは冷静に比べてください。
また、専門実践教育訓練は受講前にハローワークでのキャリアコンサルティングと受給資格確認が必要です。進学を決めてから慌てないよう、出願前に一度相談しておくと安全です。
予備校ルートで実質負担を下げる3つの方法
給付金が使えない以上、予備校ルートで負担を下げる手段は次の3つに絞られます。
① 割引制度(予備試験講座は最大20%OFF)
アガルートは公式サイトで各種割引制度を案内しています。予備試験講座では他校乗換割(20%OFF)、他資格合格者割引(5〜10%OFF)、受験経験者割引(5%OFF)などがあり、予備試験に合格した後の司法試験講座には予備試験合格者特別割引(50%OFF)があります。条件に当てはまれば数十万円単位で下がります。
割引は併用できないものが多く、どれが一番大きいかは人によって変わります。申込前に自分が該当する割引をすべて洗い出し、金額を比べてから選んでください。
② 合格特典(受講料の全額返金)
これが予備校ルートで最も大きい制度です。アガルートの「予備試験最短合格カリキュラム/フル」は、予備試験に合格すると受講料(税抜)が全額返金されます。給付金の20%とは桁が違います。
③ 分割払い
教育クレジットを使えば月々の支払いを平準化できます。総額は変わりませんが、働きながら受験する人にとって現金の負担時期をずらせる意味は小さくありません。
アガルートの合格特典(全額返金)を正確に読む
「合格で全額返金」は強力ですが、条件を正確に理解しないと当てが外れます。公式の記載を整理すると次のとおりです。
- 対象:予備試験最短合格カリキュラムのフル。ライトと法科大学院過去問オプションは返金対象外
- 返金額:購入した対象講座の税抜価格。セール価格で買った場合はセール価格が基準。単科講座やオプションは含まれない
- 条件:成績通知書・論文再現答案・口述再現レポート・顔写真・合格体験記の提出と、合格者インタビューへの出演
- 合格年度の指定あり:カリキュラムごとに対象年度が決まっている
- 税務上の扱い:公式は「全額返金・お祝い金の文言にかかわらず、原稿料または講演料の支払い」と明記。源泉徴収後の金額が振り込まれ、5万円以上の場合はマイナンバーの提出が必要
- 法人・士業事務所などの名義で申し込んだ場合は利用できない
つまり「合格すれば1円も払わずに済む」ではなく、「合格して、体験記とインタビューに協力すれば、源泉徴収後の受講料相当が戻る」が正しい理解です。それでも、10万円超の講座で払い損の不安を最も小さくできる仕組みであることは変わりません。
マネージメントオプションやパーソナルコーチングなどのオプションを追加した場合、その費用は返金の対象に含まれません。返金を重視するなら、まずカリキュラム本体(フル)を軸に検討するのが合理的です。
費用シミュレーション|給付金なしで実際いくらか
予備試験最短合格カリキュラム/フルを想定した概算です。金額は時期やセールで変わるため、必ず公式で最新価格を確認してください。
| ケース | 支払額の目安 | 合格した場合の最終負担 |
|---|---|---|
| 定価で購入 | 80〜90万円台 | 合格特典の条件を満たせば受講料(税抜)を返金(源泉徴収後) |
| 割引を適用(例:20%OFF) | 約65〜72万円 | 同上(返金額は割引後価格が基準) |
| ライトを選択 | フルより安い | 返金対象外なので支払額がそのまま負担 |
ここで効いてくるのが、安いプランを選ぶと返金対象から外れるという逆転です。「割引で安く買う」より「フルを割引で買って合格で返金を取りにいく」ほうが、合格した場合の最終負担は小さくなります。
💴 来年アガルートで再挑戦する人が使える割引制度(併用不可・1つを選ぶ)
- 他校乗換割引 20%OFF:他校の初学者向け講座を受講していた人。受講証や領収書のスクリーンショットで申請 → 条件と申請手順
- 受験経験者割引 5%OFF:予備試験の受験票または成績通知書がある人。合否は問われず、何年前のものでも可
- 他資格合格者割引 5〜10%OFF:行政書士・社労士・弁理士・司法書士・公認会計士の合格者 → 対象資格と必要書類
▶ 自分がどれを使えるかは アガルートのクーポン・割引一覧(早見表) で確認できます。
対象は予備試験最短合格カリキュラム(フル/ライト)。申請は講座購入の前に行い、クーポン発行後に申し込みます。割引率・対象講座・セールの実施状況は時期で変わるため、最新の内容は公式ページでご確認ください。
よくある質問
Q1. 本当に1件も指定講座がないのですか?
2026年8月27日時点で、厚生労働省の検索システムに司法試験・予備試験の予備校講座は掲載されていません。指定は年度ごとに更新されるため、申込のタイミングで必ずご自身でも検索してください。
Q2. 予備校の窓口に聞けば対象講座を教えてもらえますか?
指定の有無は各校が把握しています。ただし「給付金対象」と案内された場合でも、指定講座番号と指定期間を確認してください。期間外に受講を開始すると対象になりません。
Q3. 法科大学院に進めば必ず給付を受けられますか?
いいえ。専門実践教育訓練の指定を受けている課程であること、雇用保険の被保険者期間などの受給要件を満たすこと、受講前にハローワークで手続きを済ませることが必要です。
Q4. 自営業・フリーランスでも使えますか?
教育訓練給付は雇用保険の制度なので、被保険者期間がない方は対象外です。会社員時代の期間があり離職から1年以内であれば、離職者としての適用を受けられる場合があります。
Q5. 結局、予備校ルートで一番効くのはどれですか?
金額の大きさでは合格特典(全額返金)が圧倒的です。次に割引制度。分割払いは総額を下げる手段ではなく、支払時期を調整する手段だと考えてください。
自分で確認する手順|厚労省の検索システムの使い方
この記事の内容も、読んだ時点では古くなっている可能性があります。指定は年度ごとに更新され、新しく指定される講座も失効する講座もあるからです。申込の直前に、次の手順で必ずご自身の目で確認してください。
- 手順1:「教育訓練給付金 検索システム」で検索し、厚生労働省の公式サイトを開く
- 手順2:「講座・スクールを探す」に進む
- 手順3:キーワード欄に「予備試験」「司法試験」など、講座名に入りそうな語を入れる。予備校名でも検索できます
- 手順4:実施方法のチェックを全部入れる。初期状態では通学のみが選ばれていて、通信・eラーニングが除外されていることがあります
- 手順5:ヒットしたら「詳細を見る」で指定期間を確認する。受講開始日が指定期間内でなければ対象になりません
手順4は見落としやすいポイントです。通学だけで検索して「0件だった」と判断すると、通信講座の指定を取りこぼします。逆に言えば、全実施方法を選んでも0件なら、その分野に指定講座は存在しないということです。
他資格と比べると違いがはっきりする
「資格の通信講座=給付金が使える」というイメージは、他資格では実際に当たっています。同じ検索システムで調べると、次のような差が出ます。
| 資格 | 予備校の指定講座 |
|---|---|
| 行政書士 | あり(アガルート・フォーサイト・クレアール・大原など13件) |
| 社労士 | あり |
| 司法試験・予備試験 | なし(大学院の課程のみ) |
行政書士や社労士の記事を参考に司法試験の費用を見積もると、ここでずれます。「同じ予備校でも、資格によって指定の有無が違う」と覚えておくと間違えません。
実際、アガルートの一般教育訓練給付金の対象講座一覧に並んでいるのは行政書士と社労士の講座だけで、司法試験・予備試験のカリキュラムは掲載されていません。
なお、指定講座であるかどうかと、講座の質が高いかどうかは別の話です。給付の有無は制度上の指定を受けているかという手続きの問題で、合格率や講師の実力とは関係がありません。給付金が使えないことを理由に司法試験の予備校講座を避ける必要はまったくなく、判断材料はあくまでカリキュラムの中身と、支払った金額をどう取り戻せるかという設計にあります。
まとめ|給付金を当てにせず、割引と合格特典で組み立てる
司法試験・予備試験の予備校講座に教育訓練給付金は使えません。これは推測ではなく、厚生労働省の指定講座検索システムで実際に確認した結果です。
そのぶん、予備校ルートには合格すれば受講料が返ってくるという、給付金より大きい仕組みがあります。対象カリキュラムと条件を正確に押さえたうえで、割引制度と組み合わせて設計してください。
まずは無料の資料請求・講義体験で、講師との相性とカリキュラムの中身を確かめるところから始めるのが安全です。
📚 教育訓練給付金 公式参照リンク
- 厚生労働省 教育訓練給付制度 – 制度概要・対象者要件・申請方法
- 厚生労働省 教育訓練講座検索システム – 対象指定講座の検索
- ハローワーク公式 – 受給資格確認・申請手続き
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講座を選ぶ前に確認しておくこと
司法試験・予備試験の予備校講座は教育訓練給付金の対象外なので、負担を下げる手段は割引制度と合格特典に絞られます。
アガルートの場合、対象カリキュラム(フル)で合格すれば受講料が全額返金される合格特典があり、金額の大きさでは給付金の比ではありません。ただしライトやオプションは返金対象外なので、申込むプランを間違えないことが重要です。
長い学習期間を見越して、割引が使えるタイミングで申し込み、返金対象のカリキュラムを選ぶのが合理的な選択になります。
まずは無料体験講座やサンプル動画で講師との相性を確認することから始めましょう。



